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2024年初代ダート3冠馬に輝くのは?ダートグレード制を解説

更新日:

ダート三冠とは、2024年中央競馬、地方競馬のダートグレード制を整備し、世界に通用するダート馬を作るのが目的で作られました!

これまでは、ダート競馬は中央と地方で開催され未だに出走条件や日程などがバラバラ。
ダートで世界を目指す馬を作るためには、統一と整備が必要とされていました。

その改善点を活かして2024年からは初代ダート3冠を目指すクラシックレースも開催!
これからどんどん盛り上がるダートレースには今から注目しておきましょう。

この記事では2024年からの変更点や、今後日本ダート界を牽引する馬達を紹介していきます。


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ダートグレード制変更とは?

大井競馬場

1995年から地方と中央の交流競走が開始され、交流重賞競走は規格統一に進み発展してきましたが、一方、ダート競馬を担う地方競馬が全国的な規模での規格統一ができておらず、芝レースに比べて海外から大きく後れを取っているのがダート競馬の現実です。

ダートグレード制を変更し、レース規格の全国規模での統一やレース体系の整備を行い、国際的にもレースの質を高めるために2024年から地方競馬、中央競馬を含めて大きな改革を行います。

主な変更点について

ダートグレード制変更の目的は、前述したようにダートレースの質を高めるためです。
そのために必要なことは3点!

3歳ダート三冠路線の整備

ジャパンダートダービー

日本の三冠馬は2020年のコントレイルまでで歴代8頭。
皐月賞・日本ダービー・菊花賞の3冠を全て優勝した馬です。
芝では3歳クラシック路線の頂点を三冠と定めているものの、3歳ダート路線の頂点は現時点では定まっていませんでした。

羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを南関東三冠としていますが、羽田盃や東京ダービーについてはJRA馬は参加できないため、真のダート三冠馬とは呼べない状態です。2024年から3歳ダート路線を整備し、地方競馬、JRA馬が統一されたダート三冠を目指します。そのため現3歳クラシックレースの変更。そして前哨戦の創設を行います。

2歳、3歳ダート短距離路線の整備

優駿スプリント

ダートクラシック三冠レースは、羽田盃(1800m)、東京ダービー(2000m)、ジャパンダートクラシック(2000m)と全て中距離レース。

ダート戦では最もレース数が多い1200~1600mを得意とするダート短距離馬には参加するのが難しいです。

そのため、2歳、3歳限定のダート重賞を整備、統一してダート短距離馬への活躍の機会を増やします。

既存ダートレースの整備、統一

古馬ダートレースの中距離、短距離、牝馬限定戦も日程変更や、新重賞創設による整備、既存のレースのグレード変更(重賞格上げ)を行います。

賞金額のアップ

JDD優勝

ジャパンダートクラシック(5500万→7000万)を筆頭に、重賞の賞金額を見直しグレードに応じて大幅に引き上げ、ダート競争馬の質の底上げを目的とする。

2024年初代ダート三冠馬が生まれる

ミックファイア三冠

2024年から創設されるダート三冠競争!
新しい戦いが繰り広げられるダート三冠競争について解説します。

ダート三冠競争について

皐月賞・日本ダービー・菊花賞
これが現在の日本の三冠競争、いずれも芝のレースです。

牝馬三冠も
桜花賞・オークス・秋華賞
と全て芝のレース。

ダート馬では、各地に三冠レースはあるものの
全国規模で統一されたレースはありません。

【各地方競馬場の三冠レース】

開催3冠レース備考
門別北斗盃・北海優駿・王冠賞 
岩手ダイヤモンドカップ・岩手ダービー・不来方賞 
南関東羽田盃・東京ダービー・ジャパンダートダービー2023年ミックファイアが三冠達成
金沢北日本新聞杯・石川ダービー・サラブレッド大賞典MR0金賞を含めて金沢4冠
名古屋駿蹄賞・東海ダービー・岐阜金賞 
兵庫菊水賞・兵庫チャンピオンシップ・兵庫ダービー 
高知黒潮皐月賞・高知ダービー・菊水賞2023年ユメノホノオが三冠達成
佐賀佐賀皐月賞・九州ダービー・ロータスクラウン賞 

一応、現在は全ての地方馬が参加できるということで
南関東三冠が、地方競馬の三冠馬となってはいますが、JRA所属馬が参加できるのは
三冠最後のレースジャパンダートダービーだけ
でした。

各地方競馬場の3歳レースを見ても、JRA所属馬が出走できるのはJPN2の兵庫チャンピオンシップのみです。

2024年からは、3歳ダートクラシックとして
3冠レース全てに地方所属馬、JRA所属馬が出走できるようになり
真の3歳ダート三冠馬が誕生します!

【2024年からの新ダート三冠路線】

レース名グレード開催時期距離開催競馬場
羽田盃JPN14月下旬1800m大井
東京ダービーJPN16月上旬2000m大井
ジャパンダートクラシックJPN110月上旬2000m大井

今まではJRA所属馬が出走できなかった羽田盃、東京ダービーをJPN1にグレードアップ。各レースの賞金総額もアップした上で、3冠達成ボーナスが8000万円!

つまり、3冠ダート馬が誕生すると

羽田盃5000万円
東京ダービー10000万円
ジャパンダートクラシック7000万円
3冠ボーナス8000万円
賞金総額30000万円

賞金総額は3億円!
これだけ賞金がアップすれば、ダートレースに強い馬の
生産にも力が入り、数年でダート競馬の質は上がっていくでしょう。

ダート3冠競争の前哨戦

ユニコーンステークス

3冠レースそれぞれに前哨戦が創設され
優先出走権が付与されます。

【羽田盃の前哨戦】

レース名グレード距離開催開催時期
雲取賞JPN31800m大井2月中旬
京浜盃JPN21700m大井3月中旬

【東京ダービーの前哨戦】

レース名グレード距離開催開催時期
ユニコーンステークスG31600m東京3月中旬

【ジャパンダートクラシックの前哨戦】

レース名グレード距離開催開催時期
不来方賞JPN22000m盛岡9月中旬

前哨戦はJPN3かJPN2に格上げとなり、地方所属馬だけではなくJRA馬も参戦可能となります。大井競馬場で2レース、東京競馬場で1レース、盛岡競馬場で1レースの全4レースが前哨戦となります。

この4レースの他に1月中旬にブルーバードカップが創設され、こちらは2歳冬~3歳春にかけての3歳ダートレースの充実を図ります。

アメリカのダート三冠競争

ケンタッキーダービー

2024年からのダート3冠競争の参考となるのが、ダート先進国のアメリカです。

アメリカの3歳ダート路線は

レース名競馬場開催時期
ケンタッキーダービーチャーチルダウンズ2012m
プリークスネスステークスーピムリコ1911m
ベルモントステークスベルモントパーク2414m

アメリカでダート3冠を達成したのは1919年の初代3冠馬サーバートンから2018年のジャスティファイまで11頭。無敗で3冠を成し遂げたのはシアトルスルーとジャスティファイの2頭のみ。

3冠レース全てのレコードタイムは1973年のセクレタリアトが記録しており、50年経過した現在でもレコードは破られていません。

昨年は日本馬デルマソトガケがケンタッキーダービーに挑戦して6着。これから日本のダート路線拡充につれて、ダート競争のレベルが上がり、いつの日か日本馬がクラシックレースを制することも期待されています!

凱旋門賞の制覇とアメリカダートクラシックの制覇。どちらが先なのか本当に楽しみです。

ダート3冠競争に向けて2歳戦の変更は2023年から

ダートクラシック3冠競争創設に先駆けて、2歳のダートレースは2023年の秋以降に変更が開始されます。

各地方競馬場で、2歳限定のネクストスター賞が創設され、3歳ダートレースへの道が整備されます。

【ネクストスター賞2歳】

レース名実施競馬場距離実施時期
ネクストスター門別門別1200m10月上旬
ネクストスター盛岡盛岡1200m10月中旬
ネクストスター金沢金沢1400m10月下旬
ネクストスター笠松笠松1400m10月中旬
ネクストスター名古屋名古屋1500m10月下旬
ネクストスター園田園田1400m10月下旬
ネクストスター高知高知1400m10月上旬
ネクストスター佐賀佐賀1400m11月上旬

【ネクストスター賞3歳】

レース名実施競馬場距離実施時期
ネクストスター北日本門別1200m4月中旬
ネクストスター東日本川崎1400m3月中旬
ネクストスター中日本名古屋1500m3月下旬
ネクストスター西日本園田1400m3月下旬

ネクストスター賞は各地で地方所属馬のみが参戦可能です。
3歳春から開催されるブロック別のネクストスター賞では優勝馬に兵庫チャンピオンシップの優先出走権が付与されます。

3歳ネクストスター賞は毎年持ち回りでブロックごとの競馬場で開催される予定です。

重賞レースのグレード変更

さきたま杯

3歳戦だけではなく、古馬ダート路線の重賞についても開催時期やグレードが変更されます。

さきたま杯がJPN2からJPN1へ格上げ

5月に開催されていた地方交流重賞のさきたま杯はJPN2からJPN1へグレードアップ。開催時期も5月から6月に変更されます。

【グレード変更のレース】

レース名開催競馬場グレード変更点
さきたま杯浦和JPN2JPN→JPN1へ 4歳以上→3歳以上へ

出走条件を変更する重賞レース

【出走条件変更のレース】

レース名開催競馬場グレード変更点
かきつばた記念名古屋JPN3ハンデ→別定戦
ダイオライト記念船橋JPN2定量→別定戦
川崎記念川崎JPN11月下旬→4月中旬
名古屋グランプリ名古屋JPN23歳以上→4歳以上
名古屋大賞典名古屋JPN34歳以上4歳→3歳以上 別定→ハンデ
エンプレス杯川崎JPN2別定→定量
クイーン賞船橋JPN33歳以上牝→4歳以上牝
マリーンカップ船橋JPN3別定→定量

この他にも、大井競馬場で開催されていたTCK女王杯は兵庫女王杯と名前を変更し開催も大井から園田競馬場へ変更になるなど、いくつかの変更があります。

2024年ダートレース統一で日本のトップ馬は?

来年からはダート三冠馬はもちろんのこと、古馬のダート路線も整備され、真のダート王が決定します。今年デビューの馬を含めて過去に例がないほど力がある馬が揃ったダート路線。

2024年の砂の王になる馬はこの4頭から!

ウィシュバテソーロ

ウシュバテソーロ
馬名性齢所属主戦騎手主なタイトル
ウィシュバテソーロ牡6JRA川田ドバイWC 東京大賞典

日本馬初のドバイWC優勝馬!
ホクトベガの無念を25年かけて晴らしてくれた現役最強馬。
2022年10月から4連勝で東京大賞典優勝!そして4番人気でドバイワールドカップを制しています。

東京大賞典に向けて、今後は日本テレビ盃から出走の予定。調教がイマイチという話はありますが、この馬は調教ではいつも走らない馬。本番にならないとわかりません。

古馬陣の中では敵はもういないでしょう。相手は今年3歳のスーパーホース2頭!

ミックファイア

ミックファイア
馬名性齢所属主戦騎手主なタイトル
ミックファイア牡3大井御神本南関東三冠

生まれるのが1年遅ければ
初代ダート三冠馬は間違いなくこの馬だったでしょう。
トーシンブリザード以来22年ぶりの南関東三冠馬。3冠を決めたジャパンダートダービーーでは中央勢のミトノオー、ユティタムを全く寄せ付けない圧勝!

世代で抜けた力を持つだけでなく、現役ダート馬の中でもトップクラスの1頭と印象づけました。秋からはついに古馬との対決!そしてまだ戦っていない同世代のデルマソトガケとの闘いが待っています!

デルマソトガケ

デルマソトガケ
馬名性齢所属主戦騎手主なタイトル
デルマソトガケ牡3JRAルメールUAEダービー 全日本2歳優駿

未勝利戦勝ち上がりまで4戦かかり、平凡なダート馬だと思われていましたが
未勝利脱出から3連勝で全日本2歳優駿を制覇!そして海外遠征でサウジダービー3着、UAEダービー1着、ケンタッキーダービー6着。

まだ日本の強豪馬とのレース経験がないため、実力の見極めが難しい馬ですが、3歳世代トップクラスであることは間違いなし!

派手な勝ち方はしなくても、この馬相当強いです。

ダートグレード競争変更のまとめ

ダートレースは芝レースよりも下に見られがちでした。そのためダートの名馬も芝名馬よりも下との評価。

2024年の改革でこの認識も一気に変わるでしょう。
海外レースは凱旋門賞だけではありません。

ダートのアメリカ三冠そしてブリーダーズカップ。
今後は日本馬がどんどん北米レースに参戦して力を示して欲しい!

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