「最も強い馬が勝つ」と昔から言われているG1・菊花賞。
伝統ある当レースは、数ある名馬がクラシック3冠に挑んだレースでもあります。
これまでセントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルの7頭が菊花賞を勝利し、牡馬3冠を成し遂げました。
今年出走する馬は、皐月賞馬のジャスティンミラノは出走しないものの、ダービー馬のダノンデサイル、皐月賞2着のコスモキュランダ、神戸新聞杯1着のメイショウタバルなど面白いメンバーが揃いそうです。
クラシック最終戦である当レース。
今年は一体どんなレースになるのでしょうか。
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目次
菊花賞2024年の想定馬・想定騎手
想定出走馬、想定騎手に加え、一言ずつ解説していきます。
ダノンデサイル
牡3 父:エピファネイア
想定騎手:横山典 前走:ダービー1着
今年のダービー馬は直行で参戦。
菊花賞に強いエピファネイア産駒なのは魅力ですが、2006年のドリームパスポート以来、菊花賞で馬券に絡んでいない横山典弘騎手が不安材料です。
コスモキュランダ
牡3 父:アルアイン
想定騎手:M.デムーロ 前走:セントライト記念2着
セントライト記念は横綱競馬のような競馬で2着。
長距離が「?」なアルアイン産駒なのは非常に懸念材料ですが、近5年で4回馬券に絡んでいるセントライト記念2着馬だというのは面白いです。
へデントール
牡3 父:ルーラーシップ
想定騎手:ルメール 前走:日本海S1着
正式な出走表明はまだありませんが、もし出走したら人気になりそうな一頭。
ただ、ドゥレッツアほどの強さがあるかどうかは未知数です。
メイショウタバル
牡3 父:ゴールドシップ
想定騎手:浜中 前走:神戸新聞杯1着
神戸新聞杯は逃げ切って1着でしたが、馬場は得意の稍重でした。
良馬場だと好走は難しいと考えられるので、取捨は馬場状態を見てからでしょう。
ジューンテイク
牡3 父:キズナ
想定騎手:藤岡祐 前走:神戸新聞杯2着
神戸新聞杯はあと一歩及ばず2着。
安定してはいますが、G1で勝負になるかと考えると…
ショウナンラプンタ
牡3 父:キズナ
想定騎手:鮫島駿 前走:神戸新聞杯3着
こちらもキズナ産駒。
後方待機一辺倒であるため、展開次第でしょう。
シュバルツクーゲル
牡3 父:キズナ
想定騎手:未定 前走:紫苑S1着
こちらは3勝クラスを勝利したキズナ産駒。
切れはなく粘り強さが魅力ですが…。
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菊花賞2024年の基本情報
G1・菊花賞は、3歳牡馬クラシックの最終戦です。
2023年は、新潟の3勝クラス・日本海ステークスから臨んだドゥレッツアが、ルメール騎手の好騎乗もあり、3馬身差の圧勝。
2着にはダービーから直行したタスティエーラ、3着は皐月賞馬のソールオリエンスが入りました。
これまで、神戸新聞杯組が結果を出すことが多かった菊花賞。
しかし、近年は外厩を使った直行ローテの一般化と、関東馬の躍進により、2021年、2023年はついに神戸新聞杯組が1頭も馬券内に入りませんでした。
その代わりに、セントライト記念上位組は、近5年で必ず馬券に絡んでいます。
直行ローテで結果を出したのは去年のタスティエーラだけですが、今年はダービー馬のダノンデサイルが直行で挑みます。
今後、ダービーから菊花賞に直行してくる馬は増加することでしょう。
菊花賞ってどんなレース?
菊花賞は、10月下旬に京都競馬場芝3000mで行われる、3歳牡馬限定のG1レースです。
当レースの創設は極めて古く、何と戦前の1938年で、条件も現在と同じ京都3000mでした。
1948年、現在の「菊花賞」と名称が変更となり、牡馬クラシックの3冠目として位置づけられたのもこの頃です。
当レースは、牝馬も出走することが可能で、現に牝馬のクリフジが菊花賞を制していますが、セン馬は出走不可能です。
以前の日本競馬は、マイルや中距離よりも長距離の方が重視されていたため、菊花賞の位置づけは極めて高いものでした。
しかし、最近は世界的にマイル・中距離の格が上がったこともあり、ダービー馬が菊花賞をパスして天皇賞・秋に進むことも増えています。
また、菊花賞は芝3000mという、どの馬にとっても未知の距離であることから、”一発屋”のような存在も存在します。
約15~20年前は、ビッグウィーク、ソングオブウインド、スリーロールスなど、菊花賞の一発屋が多発した時期もありました。
近年は菊花賞勝利後もある程度結果を出す馬が多いですが、一昨年のアスクビクターモアは菊花賞以降勝利なし。
去年のドゥレッツアも菊花賞以降冴えない走りを続けており、一発屋の懸念があります。
また、3000mという長距離で行われることから、血統や騎手についてはどのレースよりも重視され、騎手・血統によって得意不得意の差が激しいレースでもあります。
菊花賞2024年予想に必要なデータ
ここでは、菊花賞の過去の傾向など、予想に必要なデータを紹介します。
菊花賞 過去10年の結果
2021~2022年は阪神芝2000m、他すべて京都芝2000m
年 | 着 | 馬名 | 齢 | 騎手 | 人 | 血統 |
---|---|---|---|---|---|---|
23良 | 1 | ドゥレッツァ | 牡3 | C.ルメール | 4 | ドゥラメンテ |
2 | タスティエーラ | 牡3 | J.モレイラ | 2 | サトノクラウン | |
3 | ソールオリエンス | 牡3 | 横山武史 | 1 | キタサンブラック | |
22良 | 1 | アスクビクターモア | 牡3 | 田辺裕信 | 2 | ディープインパクト |
2 | ボルドグルーシュ | 牡3 | 吉田隼人 | 7 | スクリーンヒーロー | |
3 | ジャスティンパレス | 牡3 | 鮫島克駿 | 4 | ディープインパクト | |
21良 | 1 | タイトルホルダー | 牡3 | 横山武史 | 4 | ドゥラメンテ |
2 | オーソクレース | 牡3 | C.ルメール | 3 | エピファネイア | |
3 | ディヴァインラヴ | 牡3 | 福永祐一 | 6 | エピファネイア | |
20良 | 1 | コントレイル | 牡3 | 福永祐一 | 1 | ディープインパクト |
2 | アリストテレス | 牡3 | C.ルメール | 4 | エピファネイア | |
3 | サトノフラッグ | 牡3 | 戸崎圭太 | 5 | ディープインパクト | |
19稍 | 1 | ワールドプレミア | 牡3 | 武豊 | 3 | ディープインパクト |
2 | サトノルークス | 牡3 | 福永祐一 | 8 | ディープインパクト | |
3 | ヴェロックス | 牡3 | 川田将雅 | 1 | ジャスタウェイ | |
18良 | 1 | フィエールマン | 牡3 | C.ルメール | 7 | ディープインパクト |
2 | エタリオウ | 牡3 | M.デムーロ | 2 | ステイゴールド | |
3 | ユーキャンスマイル | 牡3 | 武豊 | 10 | キングカメハメハ | |
17不 | 1 | キセキ | 牡3 | M.デムーロ | 1 | ルーラーシップ |
2 | クリンチャー | 牡3 | 藤岡佑介 | 10 | ディープスカイ | |
3 | ポポカテペトル | 牡3 | 和田竜二 | 13 | ディープインパクト | |
16良 | 1 | サトノダイヤモンド | 牡3 | C.ルメール | 1 | ディープインパクト |
2 | レインボーライン | 牡3 | 福永祐一 | 9 | ステイゴールド | |
3 | エアスピネル | 牡3 | 武豊 | 6 | キングカメハメハ | |
15良 | 1 | キタサンブラック | 牡3 | 北村宏司 | 5 | ブラックタイド |
2 | リアルスティール | 牡3 | 福永祐一 | 2 | ディープインパクト | |
3 | リアファル | 牡3 | C.ルメール | 1 | ゼンノロブロイ | |
14良 | 1 | トーホウジャッカル | 牡3 | 酒井学 | 3 | スペシャルウィーク |
2 | サウンズオブアース | 牡3 | 蛯名正義 | 4 | ネオユニヴァース | |
3 | ゴールドアクター | 牡3 | 吉田隼人 | 7 | スクリーンヒーロー |
菊花賞 過去の傾向
菊花賞の過去10年の傾向を見ていきましょう。
G1実績のある1番人気馬は馬券には絡む
1番人気の勝率は30%、複勝率は60%とまずまずです。
1番人気が敗れる時は、2014年のワンアンドオンリーのように菊花賞苦手血統だったり、2018年のブラストワンピース、2021年のレッドジェネシス、2022年のガイアフォースのように、G1実績がない場合です。
よって、G1実績があれば、多少の距離不安があったとしても、2019年のヴェロックス、2023年のソールオリエンスのように、勝てなくても馬券内に入ることは多いです。
前走2勝クラス、3勝クラスにもチャンスあり
当レースは、前走2勝クラス、3勝クラスの馬にもチャンスがあるレースです。
去年のドゥレッツアも3勝クラス勝ちから勝利を収めました。
2勝クラス、3勝クラスが来る時は、長距離実績のある騎手が乗っていること。
ルメール騎手、武豊騎手はもちろんとして、和田竜二騎手や吉田隼人騎手も、長距離では穴を開ける存在です。
特に、ルメール騎手が騎乗している場合は”特注”と言っていいかもしれません。
神戸新聞杯有利の時代はもう終わった?
以前までは、「菊花賞は神戸新聞杯から」とずっと言われてきましたが、近年のこの傾向が崩れつつあります。
2021年、2023年の菊花賞では、神戸新聞杯を経由した馬は3着以内に入れませんでした。
一方、以前は「いらない」と言われていたセントライト記念組は好調です。
近10年で3頭の勝ち馬を出し、近5年は全て馬券内に絡んでいます。
よって、近年は「セントライト記念組>>神戸新聞杯組」と頭を切り替えた方がいいかもしれません。
最近の激アツはセントライト記念2着馬?
最近の激アツはセントライト記念2着馬です。
近5年では、2021年を除く4頭が馬券に絡んでいます。
ちなみに、今年のセントライト記念2着は皐月賞2着のコスモキュランダ。
G1実績もあり、菊花賞勝利経験のあるM.デムーロ騎手であることから、面白い存在かもしれません。
惨敗組の巻き返しは皐月賞4着以内
菊花賞は、前走惨敗からの巻き返しは少なく、過去10年で30頭中28頭が馬券に絡んでいます。
そのため、前走4着以下に敗れた馬を狙うのはおすすめできません。
例外はクリンチャーとタイトルホルダーのみですが、共に皐月賞4着、2着という実績がありました。
長距離に強いルメール騎手と武豊騎手、川田騎手は✕
京都3000mという特性上、騎手によって得意不得意がモロに出ます。
ルメール騎手は、過去10年で3-2-1-2と、圧倒的な強さを誇ります。
武豊騎手は、勝利こそワールドプレミアのみですが、菊花賞苦手血統で有名なキングカメハメハ産駒を2度3着に導いており、距離不安の馬の距離を持たせる強さを持っています。
一方、明らかに長距離を苦手としているのは川田騎手。
過去10年で馬券に絡んだのはヴェロックスの3着のみで、マイル戦での鬼のような強さは消え去ります。
ドゥラメンテ産駒とエピファネイア産駒が強い
菊花賞は、血統も得意不得意が強く出ます。
15~20年前は、ダンスインザダーク産駒が強い時期がありました。
近年明らかに強いと言えるのは、ドゥラメンテ産駒とエピファネイア産駒。
特にエピファネイア産駒+母父ディープインパクト産駒は特注で、3頭も馬券に絡んでいます。
よって、エピファネイア産駒で母父ディープインパクトの馬を見つけたら、必ず印をつけることをおすすめします。
ディープ系とハーツクライ系は怪しむべし
当レースを明らかに苦手としている馬は、ハーツクライ産駒とキングカメハメハ産駒。
天皇賞・春には強いハーツクライ産駒が菊花賞に弱いのは、不思議なものです。
キングカメハメハ産駒は3着が最高でしたが、キングカメハメハ系のルーラーシップとドゥラメンテの産駒が3勝も挙げているのは、これまた不思議です。
一方、ディープインパクト産駒は、菊花賞でも圧倒的な強さを誇っていましたが、ディープ系の馬券圏内はゼロ。
去年の4、5着はキズナ産駒でしたが、馬券には絡んでいません。
今年はディープ系の馬が多く参戦してくることが予想されますが、ちょっと怪しんで見たほうがいいかもしれません。
特に、良駒の多いキズナ産駒が今年の菊花賞で馬券に絡まなかったら、キズナ産駒は「菊花賞苦手血統」に入れてしまってもいいかもしれません。
SS系でも、マンハッタンカフェ産駒とハーツクライ産駒が菊花賞で全く走らなかったように、そういうことがあるのです。
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